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【月虹の栞】によせて
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20年前アメリカの詩人が贈ってくれた詩がある
a rainbow
the size of the universe
in a straight line
from hashiba hatsue's shamisen
to our eardrums
John Solt
ひと張りの虹
それは橋場はつえの三味線から
わたしたちの鼓膜まで
まっすぐな線で宇宙いっぱいになって
気がつくと私はいつも虹を生きてきた
三味線に七色はなく三色だから虹をわたるには遠い道のりだった
でも涙色の雨のあとには青空に虹が一筋弓形にピンと張る
仰ぎ見る私の背中もいつしかピンシャンと撥とともに唄う
少しずつその音は轍のようにかすかにひろがって
友人達の手によりこの皐月のホームページに新たな風を運んでくれた
その喜び、感謝をやはり虹色にこめたいと想った
思い重ねる私に幼馴染の俳人が贈ってくれた二文字 【月虹】
昼の虹のように七色ではなく白く淡い色だから白虹とも言われる夜の虹
瞳をこらしても蜻蛉のようにあまりに薄くゆらいで・・・
マウイ島ではそれを見た者に「幸せが訪れる」といわれ
「先祖の霊が橋を渡り祝福を与えに訪れる」とも言われている
これからも唄い語り続けてゆく私の虹は
もう七色ではなく静かに心にしみこむ一筋の虹
【月虹の栞】で日々の想いをつぶやくように綴ってみたい
橋場はつえ・西松布咏
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(撮影:飯名 尚人) |
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